英文解釈の技術100

英文解釈の技術100の添削と解説〜問題4,5,6〜

英文解釈の技術100の問題4,5,6について、実際にあった答案例を添削し、解説します!

添削方法

答案例の和訳に対し、以下のルールで色をつけて添削します

  1. 赤色文字:致命的な間違い(文構造の取り違いなど)
  2. 青色文字:単語レベルの間違い(知らない単語の訳しミスなど)
  3. 緑色文字:間違いとまでは言わないが少し変な訳

問題4

添削前

今日、多くの企てている日本の企業は日本で作られた商品を再輸入することが有益であると気づきつつある。

添削結果&解説

今日、多くの1企てている2日本の企業は日本で作られた商品を再輸入することが有益であると気づきつつある3

1について

「企業」にかかる修飾語が「多くの」「企てている」「日本の」と3つもありますよね
日本語では修飾語が多すぎるとどこにかかっているか分かりづらくなるので少し違和感があります
なので「多くの〜はVする」より、「Vする〜は多い」や「Vする〜の多くが」としてあげることで修飾語を減らしてあげる方が良いと思います

2について

これは単語力が問われています

enterpriseという名詞の和訳をご存知ですか?
enterpriseは「頭の中の思いつき」が元来の意味で、まず「1.企て」の意味があります
そして複数人で「企て」ていく組織、つまり「2.企業」のことも表すようになりました
また「企て」から派生して「3.進取の気性(しんしゅのきしょう)、冒険心」といった積極的に新しいことに取り組み気質を表す単語でもあります

ここではenterpriseが現在分詞enterprisingとしてJapenese businessesにかかっています
ここまでくるとenterprisingは「進取の気性がある」や「冒険心を持っている」などの訳が思いつくのではないでしょうか?

このように名詞の意味から正しく類推する力も大切です!

3について

進行形には「〜つつある」の訳もありますが、ここでは普通に「〜している」でも良いです
「〜つつある」は何らかの状態に到るまでの途中過程が存在する場合に用います。
例えばHe is dying.「彼は死にかけている。」では、死んでいる状態に到るまでの途中過程、つまり「死にかけている状態」が存在しますよね
(例があまりよくないですが...)

今回の例に戻ると、is findingが「気づきつつある」とすると、「多くの日本企業は再輸入が有益であることに、まだ完全に気づいているわけではないが、何となく気づきはじめている」といった意味になります

ありえないこともないですが、少し違和感を感じる場合、単純に進行形の訳「気付いている」でも問題ありません
個人的には多くの企業が気づきつつある状態というのは、少し変な気がするので「気付いている」と訳すことにします

添削後

今日、進取の気性がある日本企業の多くが、日本で作られた商品を再輸入することが利益につながることに気付いている。

問題5

添削前

ほとんどの例において、最初の開拓者が多くの数の中に入り、彼らの子孫がその土地に住み着いた時に、彼らの発言は生き続ける。

添削結果&解説

ほとんどの例において、最初の開拓者1多くの数の中に2入り3彼ら4の子孫がその土地に住み着いた時に、彼らの発言5生き続ける6

 

1について

問題文をよく見ましょう
複数形なので「開拓者たち」です

2について

前置詞inにはin line「一列で」やin group「集団で」といったように状態を表すinがあります
ここでは、それらと同じくin substantial numbers「かなりの数で」と訳した方が自然です

3について

comeを常に「入る」と訳すのは、あまりよくありません
常に「来る」と訳すのも間違いです
正しくはcomeは「話題の中心へと向かう」です
それを日本語に訳す際、「行く」や「来る」などの意味に変わります
ここでは話題の中心は「初めの開拓者たちが訪れた土地」のことなので「やって来る」が自然です

4について

「彼らの」が後にも続くし、少し多すぎる気がします
意訳して「自分たちの」としてあげると「彼らの」と訳す時と同じ意味を伝えることができるかつ自然で良いと思います

5について

ここでは「発言」より、「ことば」とする方が自然です
なぜなら最初にやってきた開拓者達は複数おり、その発言内容も十人十色であると考えらえるため、それらの「発言」が全て残り続けるとは考えづらいからです
そうではなく、彼らが「話すことば」が残り続けるのです

6について

細かいですが、「ことば」という無生物が「生き続ける」は少し違和感があります
(比喩表現であることを意識して使うなら別ですが)
「存続する」や「残り続ける」の方が個人的には綺麗だと思います

全体について

1,2,3,4,5,6をいったん修正してみると以下の通りです

ほとんどの例において、最初の開拓者がかなりの数でやってきて、自分たちの子孫がその土地に住み着いた時に、彼らの話したことばは残り続ける。
これだけを読んでみたとき、どこか日本語に違和感を感じませんか?
「最初の開拓者がかなりの数でやってきて」が少し急すぎて、内容が頭に入ってこないですよね、、、
原因は、今回の英文の中心となる文(主文)は「the speech of the first settlers lives」なのに、その訳「彼らの話したことばは残り続ける。」が一番最後に来ていて読みづらくなっているためです

なので

ほとんどの例において、最初の開拓者が話したことばは、彼らがかなりの数でやってきて、自分たちの子孫がその土地に住み着いた時に、残り続ける。

のように主文の主語をはじめに言ってあげるだけで、かなり意味が伝わりやすくなります
このように、和訳を作成する際は、できる限り意味が伝わりやすくなるような語順についても意識するようにしましょう!

添削後

ほとんどの場合、最初の開拓者たちが話すことばは、彼らがかなりの数でやってきて、自分たちの子孫がその土地に住み着いた場合に、残り続けるのである。

問題6

添削前

真の衝動的な人は、正しい道についての感覚に反応して振る舞わず、気分や心配の反応として振る舞う。

添削結果&解説

真の1衝動的な人は、正しい道についての感覚2に反応して振る舞わ34気分5心配67反応として振る舞う3

1について

「真に」か「本当に」くらいの方が自然に繋がると思います

2について

直訳としては正しいですが、残念ながらこれだと意味が伝わらないです
またと''については和訳では「」に対応させましょう
これで「ある種の〜」といった微妙なニュアンスを出すことが出来ます
またここではright pathを「正しい道」とするだけでは、よく分からない(道は実際の道路を指してるかもしれない)ので、「取るべき正しい道」とすることで「正解」の比喩表現であることを表現するようにしましょう

3について

ここでは「振る舞う」より、「行動する」の方が自然です
act「行動する」の意味は「振る舞う」より大事なので、おぼえておきましょう

4について

not A but B「AではなくB」には気づいてましたか?
自分が気付いていることをアピールする意味でも、ちゃんとこの訳をした方が良いです
この訳し方だとbut以下をしっかり強調することが出来ますが、添削前の訳し方だと少し強調が甘いように感じます

5について

tensionは「緊張」です
tensionは「張っている」イメージの単語で他にはsurface tensionで「表面張力」といった意味にもなったりします

6について

「心配」だけでなく、「不安」の意味も覚えておきましょう

7について

reaction to Aを「Aの反応」と訳すのは雑すぎるように感じます
react to A「Aに反応する」の名詞化と捉えて、「Aに反応すること」と訳すか、せめてtoを意識して「Aへの反応」としましょう

添削後

真に衝動的な人は、取るべき正しい道についての「感覚」に反応して行動するのではなく、緊張や不安に反応して振る舞う。

 

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